ミドリカワ書房 「みんなのうた」が妙に心に引っかかる

ミドリカワ書房 みんなのうた

今回は邦楽アーティストのアルバムをレビューします。
ある日有線で耳にしてファンになったミドリカワ書房の「みんなのうた」シリーズ。
写真には2枚しか写っていませんが、その後「みんなのうた3」も買いました。

基本的に、音楽を文章で説明するのは難しいです。
「会場全体に響き渡るエモーショナルなグルーヴがオーディエンスを次々に襲い…」とか書いてもアレだし。
なのでここはひとつ、私自身の音楽的趣味を説明しようと思い、
さっき自分のCD棚を見てきましたよ。
ミスチルの新譜とモーツァルト交響曲第40番の間に鳥肌実『トリズム』がありました。
早い話が雑食です。
参考になんねー。
まあ日本、ブラジル、イギリス、アメリカとかそういうベタな人だと思って下さい。
たぶんそんなに偏ってないと思います。

で、件のミドリカワ書房「みんなのうた」シリーズですが、本人がハマショーを崇拝しているらしく、メロディとしては歌謡曲テイストが満載です。
普通の日本人が特に不自由なく鼻歌を歌えるような感じ。
キャッチーです。
ただ、この人の特徴はそういうところではなく、歌詞がね、なんというか、ナメてるというか、ナメてるくせに心に刺さるというか、ムカつくけど笑ったり泣いたりしてしまう卑怯なものになっています。
とか言われても分かりにくいですね。
文芸ミュージシャンと呼ばれたりもしていますが、本人は小説家になりたかったのだそうで、語彙がどうこうではなく、視点がちょっとおかしいと思います。
歌詞に歌われるのは「私」とか「俺」とか一人称なんだけど、それはアーティスト自身のことではなく、魚屋のオッサンだったり、女子大生だったり、お父さんだったり子供だったり殺人犯だったり。
だからアーティストが伝えたいこととか、メッセージ性は特にないんです。
そういう登場人物が自分たちのことを淡々と話してる感じ。
珍しいと思います。こういうタイプの人。

ミドリカワ書房「リンゴガール」


しかも伝えたいことが無いくせに、表現の自由を求めてメジャーレーベルを自ら切ったみたいです。
アホです。
「みんなのうた3」ではオビに「メジャー解雇で毒が3倍」って書いてました。
何考えてるんでしょうか。
ただ、フルアルバムを全部聴いた結果、この人しか歌詞にしていない物事がたくさんあるように感じました。
他人の人生であっても、それを描けば自ずと感動や笑いや悲しみが混入してくるものです。
ミドリカワ書房はその辺を鋭く突いてきます。

誰でもすぐに覚えられるようなメロディーにひと癖ある歌詞。
ひょうひょうとした無責任な雰囲気のあるアー写。
オシャレさも豪華な音も魂の叫びも何もありませんが、笑いと悲しみさえあればいいんだということを、これらのアルバムが教えてくれたように思います。
ミドリカワ書房「みんなのうた」。
万人にはお勧めできませんが、応援する意味も込めて、ご紹介してみました。
次のアルバムも買うんだろうなあ。


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